このたび関西部会では、12/16(日)に同志社大学にて第三回セミナーを開催いたします。本セミナーでは、「海外でサバイバルされた研究者のトーク」をテーマに、海外経験豊富な先生からご講演いただきます。ご興味のある方、ぜひ気楽にお越し下さい。

日時:2012/12/16(日)13:00-
場所:同志社大学 学研都市キャンパス 快風館 講義室
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要旨:こちら(.pdf形式,262KB)

プログラム

13:00~14:20高森 茂雄先生
(同志社大学大学院 脳科学研究科 神経膜分子機能部門)
「シナプス小胞のグルタミン酸再充填メカニズム」
14:30~15:50御園生 裕明先生
(同志社大学大学院 脳科学研究科 チャネル病態生理部門)
「From a postdoc to a PI in the US and Japan」
16:00〜茶話会(参加費300円程度)一時間程度

要旨

講師:
高森 茂雄 教授
同志社大学大学院 脳科学研究科 神経膜分子機能部門
演題:
「シナプス小胞のグルタミン酸再充填メカニズム」

神経終末において一度エキソサイトーシスに使われたシナプス小胞は、エンドサイトーシスによって新たに合成され、神経伝達物質が再充填されることで次のエキソサイトーシスに備える。では、シナプス小胞内の伝達物質量はどのようにして規定されているのだろうか?また、生理的な条件で修飾をうけるのであろうか?これらの問いは、シナプス伝達の根幹を理解する上で重要である。

神経伝達物質の再充填過程は小胞膜上に存在する起電性の液胞型プロトンATPase (V–ATPase)が作るプロトン電気化学勾配によって駆動される。プロトン電気化学勾配は、電気勾配(ΔΨ)と化学勾配(ΔpH)に分けられるが、その比は小胞内外の塩化物イオン濃度によって決まる。すなわち、塩化物イオンが無い場合はΔΨが優位に形成され、高濃度の塩化物イオンが存在する時はΔpHが優位に形成される。現在までに、シナプス小胞膜の塩化物イオン透過性を司る塩化物イオンチャネルの分子実体に関してコンセンサスは得られていない。更に、興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸のシナプス小胞への再充填は、小胞外塩化物イオン濃度に対して二層性の効果を示すが、そのメカニズムの詳細や塩化物イオンチャネルの寄与に関しては不明である。本講演では、グルタミン酸のシナプス小胞への取り込みを司るタンパク質Vesicular glutamate transporterの分子同定に始まり、再充填メカニズム解明への紆余曲折についてドイツ留学体験を交えながらその経緯を語る。因みに、解明への道は険しく、未だ頂には雲がかかったままである。

講師:
御園生 裕明 教授
同志社大学大学院脳科学研究科 チャネル病態部門
演題:
「From a postdoc to a PI in the US and Japan」

演者は日本で学位をとった後に渡米し、3つの州の3つの大学を渡り歩いた。そしてその間に、ポスドクからprincipal investigator(PI)になる過程を経験した。このセミナーでは、演者の経験談と共に様々な統計を交えながら、米国における研究者キャリアパスについて紹介する。また、昨年演者が帰国してから1年間の間に感じた、日本と米国での大学院教育、研究室運営、研究費獲得の違いについても考察したい。

参加申込

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茶話会(会場にて300円程度)
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