この度は「脳はどこまで再生できるのか〜神経細胞の可塑性に注目して〜」と題し、第14回脳科学若手の会・関西部会セミナーを開催します。

従来の研究では、成熟後の脳内では新たに神経細胞は発生しないと考えられてきました。しかし、近年の研究では、成熟後であってもごく限られた領域で神経細胞が発生していることが分かりました。今回のセミナーでは、脳の可塑性や再生について研究されている研究者の方をお招きし、その研究の面白さについてお話を伺います。興味、関心がある方ならどなたでもお気軽にご参加ください。  

セミナー終了後には講師の先生をお招きし、Zoomのブレイクアウトルーム機能を用いた懇親会を予定しています。途中入退室は自由となっておりますので、こちらもぜひご参加ください。

【講師】
金子 奈穂子先生(同志社大学脳科学研究科 病態脳科学分野 神経再生機構部門)

【演題】
「潜在する再生能力を活用した傷害脳の再生」

【要旨】
脳は多数の神経細胞(ニューロン)が作る複雑な神経回路によって、植物機能から思考・学習といった高次機能まで、広範囲にわたる複雑な機能を果たしています。これらのニューロンのほとんどは胎生期に産生されたもので、発達期を終えた脳内では、たとえ疾患や傷害でニューロンを失っても、新しいニューロンを産生して置き換えることはできません。そのため、脳の再生能力は非常に低いことがよく知られています。
しかし近年、成熟した脳内でもごく限られた領域ではニューロンが産生されていることが分かりました。成熟脳で生まれたニューロンは、脳組織内を移動し、神経回路の可塑性や再生に関与します。私達は、新生ニューロンの挙動を制御して脳の再生を促進する研究をしています。
私は大学卒後4年間、精神科の臨床医をしていました。大学院で基礎研究を始めて研究の楽しさを知り、思い切って進路変更しました。基礎研究者としては完全に出遅れており、失敗したり悩んだりすることもありましたが、素晴らしい上司や仲間との出会いがあり、今も大好きな研究を続けられています。
本年4月に同志社大学脳科学研究科の教授になりました。独立にあたってどんなことが役に立ったか、どんなことを後悔したか、など、若手研究者の皆さんにお伝えできたらいいなと思っています。

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【イベント名】
第14回 脳科学若手の会 関西部会セミナー「脳はどこまで再生できるのか~神経細胞の可塑性に注目して~」

【日時】
12月10日(土)

【タイムテーブル(予定)】
13:30 – 13:50 開場・オンライン接続チェック
13:50 – 14:00 代表挨拶・イベント趣旨説明(講師紹介含む)
14:00 – 15:00 講演
15:00 – 15:30 質疑応答
15:30 – 15:35 閉会
16:00 – 18:00 Zoomブレイクアウトルームを用いたバーチャル懇親会(任意参加)  

【会場】
講演、懇親会:Zoomを用いたオンライン開催  

【参加費】
無料  

【参加申込】
以下のGoogleフォームから事前登録をお願い致します。(締切:2022年12月7日(木) 23:59)
https://forms.gle/ntFKF6dqjWMQZT4s8

※イベント準備の都合上、参加予定の方はお早めに登録いただけますと幸いです。

※フォーム送信後に確認メールが返信されます。しばらくしても返信がない場合、お手数をおかけしますがメールアドレスをご確認の上再度ご登録をお願い致します。誤ったメールアドレスでのご登録によりご返信できない場合がありますので、ご登録の際に今一度ご確認いただきますようお願い致します。

 

質問等、お問い合わせは以下のメールアドレスまでお気軽にご連絡ください。

脳科学若手の会・関西部会:nowakate.kan@gmail.com