第4回脳科学若手の会合宿
2012.04.07
2012年4月7日(土)~8日(日),国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)にて,第4回脳科学若手の会合宿を開催いたします。講師の先生方をお招きしての講演会とワークショップ,参加者の皆様によるポスターセッションと,盛りだくさんの内容です。皆様のご参加をお待ちしております!
主催: | 脳科学若手の会 |
---|---|
共催: | 大阪大学GCOE「人間行動と社会経済のダイナミクス」 |
協賛: | 小原医科産業株式会社 |
前回の合宿の様子はこちらをご覧ください。
日時: | 2012年4月7日(土)~8日(日) 12:30現地集合 |
---|---|
場所: | 国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区) |
(小田急線参宮橋駅下車徒歩約7分,地下鉄千代田線代々木公園駅下車徒歩約10分) | |
定員: | 60名 |
参加費: | 8,000円(予定。宿泊費,食費,懇親会費,参加費含む) |
※会場までの往復交通費,一日目の昼食は各自でご準備ください。 | |
申し込みは締め切らせていただきました。 多数のご応募,まことにありがとうございました。 | |
申込締切: | 2012年2月24日(金)24:00 |
※申込人数が定員を超過する場合には,大変申し訳ございませんが,抽選とさせていただきます。 | |
ポスター: | こちら(.pdf形式,719KB) |
講演会
- 講師:
- 宮川 剛 先生
- 藤田保健衛生大学 総合医科学研究所 教授,自然科学研究機構 生理学研究所 客員教授
- 演題:
- 遺伝子改変マウスの表現型解析を起点とした精神疾患の研究
ポストゲノムシークエンス時代の中心的な課題の一つは,各遺伝子の個体レベルでの機能を探ることであると言われている。一方,全ての遺伝子の約80%は脳で発現しているので,それらを探るためには脳においての遺伝子の機能を調べる必要がある。演者らは,脳で発現している遺伝子の機能の最終アウトプットレベルは行動である,という視点にたち,多くの系統の遺伝子改変マウスについて,「網羅的行動テストバッテリー」を行うことによって,遺伝子・脳・行動の関係を調べてきた。この7年間で,国内外80以上の研究室との共同研究として,120系統以上の異なる系統のノックアウトマウスやトランスジェニックマウスについての解析を行ったが,興味深いことにほとんどの系統で何らかしらの行動レベルの表現型が見いだされている。これらの遺伝子改変マウスの中でも,alpha-CaMKIIヘテロ欠損マウスは,作業記憶の障害や激しい「活動量の波」など,ヒトの精神疾患の症状に似た顕著な行動異常のプロファイルを示す。このマウスの脳についてトランスクリプトーム解析,プロテオミクス解析,形態学的解析,電気生理学的解析などの各種解析を行ったところ,脳の一部が成熟できず正常に機能できていないことがわかった。さらに,このマウスと同様な行動の表現型のパターンを示す数種類の遺伝子改変マウスや抗うつ薬を投与されたマウスの脳においてもこの「未成熟歯状回」が確認され,この現象がかなり容易に引き起こされるものであることが示唆されている。この一連の研究成果を例にとり,遺伝子改変マウスのシステマティックな表現型解析が,脳の基礎的研究や精神神経疾患研究に与えるインパクトについて議論する。
ワークショップ
- 講師:
- 田中 沙織 先生
- 大阪大学 社会経済研究所 准教授
- 題名(予定):
- 報酬に基づく行動学習・意思決定に関わる脳内メカニズム
「目先の小さな利益と,将来の大きな利益のどちらを選択するか?」といった,異なる時間スケールでの選択問題を解く際の脳活動を,f-MRI (機能的磁気共鳴画像法) および,数理モデルに基づいて解析した手法や,脳内神経伝達物質の一種であるセロトニンの濃度を人為的に調節した状態で課題取り組み中の被験者の脳活動を測定した結果について,田中先生よりご講義をいただきます。その後,講義内容に関するテーマについて,小グループに分かれてワークショップを行います。
(前回のワークショップの様子)
ポスターセッション
参加者間でお互いの研究内容を紹介します。ポスターは学会などで使用されたポスターをそのままお持ちいただいても構いません。様々な研究に触れるとともに,交流を深めていきましょう。
(前回のポスターセッションの様子)
参加についてのQ&A
- Q1. 学部生ですが,参加できますか?
- A1. 是非ご参加下さい。過去の合宿でも学部生のみなさんが参加されています。
- Q2. ポスター発表は必須ですか?
- A2. 必須ではありませんが,異分野の研究者と交流する良い機会ですので,学会発表などで使用したポスターをお持ちの方は、奮ってご参加いただけると幸いです。
- Q3. 申込フォームの所属や学年は,4月時点のものですか?
- A3. 来年度4月時点の所属や学年でご記入をお願いします。後日変更も可能ですので,予定や見込みで大丈夫です。
その他,ご意見・疑問点などのある方は,こちらまでご連絡ください。
みなさまのご参加をお待ちしております。
脳科学若手の会 合宿スタッフ一同