8月4日(土)に東京大学本郷キャンパスにて第8回談話会を開催いたします。

今回は『脳科学 理論と実験の融合』をテーマに掲げ,理論研究をなさっている研究者の方にご講演いただき,議論をとおして理論・実験研究双方への理解を深める機会としたいと思います。普段は実験研究をなさっている方々も,ぜひこの機会にご参加いただければと思います。

皆様のご来場を心よりお待ちしております。

日時:2012年8月4日(土) 受付 15:00〜,談話会 15:30~18:00,交流会 18:30~
場所:東京大学本郷キャンパス 薬学系研究科総合研究棟(教室は追って連絡いたします)
会費:談話会 無料,交流会 2000円(予定)

招待講演

講師:
坪 泰宏 先生
(理化学研究所脳科学総合研究センター 脳回路機能理論研究チーム)
演題:
「皮質神経細胞の不規則発火時系列が示唆する情報原理」

脳における神経情報処理に関して,神経細胞がどのような信号を用いて情報伝達を行い,それを演算,蓄積しているのかについて,現在ほとんど明らかにされていません.例えば,行動中の動物の脳神経細胞から発火活動を記録すると,非常に不規則にみえるスパイク時系列が観測されます.ところが,この「不規則」なスパイク時系列は本当に不規則なのか,それとも背後には別の規則が隠されているのか,に関してよくわかっていません.

そこで私達はインビボ神経細胞から計測されたスパイク時系列データに対して統計解析を行うことで,神経細胞の生成するスパイク時系列に,他の物理現象でもよくみられる「パワー則」という法則がみられることを見出しました.

さらにこの結果と脳スライスを用いた単一神経細胞の電気応答計測の結果とあわせて考えることで神経細胞がエネルギーと情報精度と情報量のそれぞれをうまくバランスとるようにスパイク時系列を生成しているという仮説を提案しました.

脳情報処理の基本原理解明に対する糸口をつかむには,理論的アプローチと実験的アプローチの融合が不可欠であると考えています.この糸口を探るべく私達は,物理学や数理工学を用いた神経活動データの解析や数理モデルの構築(理論),神経活動の電気計測システムの構築やそのシステムによる電気生理実験(実験),などをあわせながら研究を行ってきました.局所神経回路をキーワードに様々なアプローチをとることで,物理,工学,神経科学それぞれに対し新しい視点と世界を見つけられるのでは,と期待しています.

本講演では,上述の不規則時系列の例を中心として,いくつかの話題を報告させていただきます.

若手発表者

瀧山 健 さん(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
徳田 慶太 さん(東京大学大学院情報理工学系研究科)

スケジュール

15:00-受付開始
15:30-15:35開会挨拶
15:35-15:55学生研究発表1
16:00-16:20学生研究発表2
16:20-16:30休憩
16:30-18:00坪先生ご講演
18:30-懇親会

参加申込

氏名
メールアドレス
所属
学年・役職
談話会
懇親会
ひとこと

〆切:
7月30日(月)
主催:
脳科学若手の会
世話人:
長野 祥大(慶應大学 環境情報学部 環境情報学科)
磯村 拓哉(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
お問い合わせ:
info@brainsci.jp