2011年9月16日,第34回日本神経科学大会の第3日目に,若手キャリアパス企画:ランチタイムミニシンポジウム「博士号のその先に -社会は研究者に何を求める-」を開催しました。講師として京都大学の仙石慎太郎先生と生理学研究所の吉田明先生をお招きし,博士号取得者のキャリアパスについてお話をいただきました。

仙石先生からは,日本と諸外国における科学技術分野の制度的差異について,「博士」と「Ph.D.」の歴史的起源にその由来を求め,「博士」が元来は専門性を担保する国家資格であったという伝統的背景を超えて,いかにこれからの若手研究者が学際性を発揮していくか,というお話をいただきました。吉田先生からは,ご自身の経歴を交えながら,研究助成制度の企画立案や運営管理に携わるプログラム・オフィサーという職業について概説していただくとともに,科学技術予算の現状について触れ,社会と研究者共同体がどのように互恵的な関係を構築していけるのか,というお話をいただきました。

会場には学部生や大学院生を中心とする計123名の方にお集まりいただき,質疑応答のコーナーでは鋭い質問が飛び出していました。