2025年3月15日(土)~16日(日)、第17回脳科学若手の会 春の合宿を開催いたします。講師の先生方をお招きしての講演会やワークショップ、参加者によるポスターセッションなど、盛りだくさんの内容です。

なお本合宿は、学術変革A「予測と行動の統一理論の開拓と検証」との共催、神経回路学会公益財団法人 加藤記念バイオサイエンス振興財団の助成を受けて開催されます。

企業協賛: 小原医科産業株式会社
室町機械株式会社
株式会社フィジオテック
株式会社SanBox
医療法人 中田歯科医院
企画協力: 株式会社tayo
日時: 2025年3月15日(土)13:00集合 ~ 16日(日)17:00解散 (予定)
場所: マホロバマインズ・三浦(神奈川県 三浦市)
定員: 40名程度(応募多数の場合は抽選)
参加費: 11,000円 *宿泊費、食費(3/15夕食、3/16朝食・昼食)を含む
※交通費と初日の昼食は各自ご負担ください。

合宿講師

沖縄化学技術大学院大学 神経計算ユニット
銅谷 賢治 先生
理化学研究所 脳神経科学研究センター
磯村 拓哉 先生

銅谷先生 ご講演/ワークショップ要旨

  • 理論駆動とデータ駆動の脳科学
  • 理論駆動とデータ駆動の脳科学 脳科学では、ベイズ推定や強化学習などの理論をもとに動物や人間の知覚・行動機能を説明しその機構を探る計算理論駆動/トップダウンのアプローチと、多様な神経細胞の遺伝子・分子・信号伝達機構とその結合構造、活動記録と操作から脳機能の解明をはかる実験データ駆動/ボトムアップのアプローチがあり、それぞれに強みと弱みがある。この講義では、強化学習とベイズ推定の理論をもとに展開してきた計算論的神経科学研究と、日本や世界の大規模脳プロジェクトで得られる膨大なデータとAI技術を駆使した「デジタル脳」の試みについて紹介し、今後の脳科学を担う皆さんの議論の種を提供したい。
  • 磯村先生 ご講演/ワークショップ要旨

    • 自由エネルギー原理とニューラルネットワーク
    • 脳を構成する神経細胞は、どのように生物の優れた知能を実現しているのでしょうか?例えば、壁の近くにリンゴがあるとき、私たちはリンゴが壁の形に欠けているとは考えず、リンゴの一部が壁に隠れていると考えます。こうした経験に基づく推論は、変分自由エネルギーと呼ばれるコスト関数を最小化することで計算できます。自由エネルギー原理は、Karl J. Fristonが提唱している脳の情報理論であり、生物の知覚や学習、行動は、この変分自由エネルギーを最小化するように決まるとしています。その結果、生物は変分ベイズ推論と呼ばれる統計学的な推論を自己組織化的に行うとされています。一方で、古くから研究されている神経活動やシナプス可塑性のダイナミクスは微分方程式の形で書くことができ、何らかの潜在的なコスト関数の勾配に従っていると考えることができます。実のところ、任意のコスト関数は、ある生成モデルと事前分布のもとでの変分自由エネルギーであると解釈することができます。このことは、標準的な神経回路モデルのダイナミクスは潜在的に変分ベイズ推論を実行していると見なすことができることを意味します。この観点に基づき、標準的な神経回路モデルが、推論、学習、予測、行動制御、行動計画などの適応的行動を(ベイズ推論の意味で)最適に実行できることを紹介します。グループワークではgoogle colabを用いて実際に神経回路モデルにベイズ推論がどのように創発するかを体験してみたいと思います。
    • 【応募方法】

      • 参加をご希望の方は、以下のリンクよりGoogleフォームに必要事項をご記入の上、ご応募ください。
      • 応募フォーム: https://forms.gle/WyFJURAsNUTWC8mP7
      • 応募締切: 2025年2月14日(金)

      【抽選結果】

      • お申し込みの結果につきましては、2月15日にご連絡いたします。
      • ご参加いただける方は、2月21日(金)までに参加費をお振り込みいただきますようお願い申し上げます(詳細は別途ご連絡いたします)。

      お問い合わせ

      ご不明点がございましたら、brainsci.jp@gmail.com までご連絡ください。

      脳科学若手の会で合宿を行うのは5年ぶりとなります。学外の知り合いや友人を作りたい方、研究やアイデアをブラッシュアップするために新しい視点を得たい方は、ぜひご参加ください。

      皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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