7月19日(土)に東京大学駒場Iキャンパスにて、第12回談話会を開催する事となりましたので、お知らせ致します。

今回は、複雑系や人工生命を専門とし、コンピュータシミュレーションを用いた様々な理論研究をなさっている東京大学の池上先生をお呼びし、脳のモデル・理論研究の変遷と今後の展開に関するお話を中心に、ご講演いただきます。

皆様のご来場を心よりお待ちしております。

日時:2014年7月19日(土) 受付 14:30~、 談話会 15:00~17:30、 懇親会 18:30~20:30
場所:東京大学駒場Iキャンパス KOMCEE4階 K402(キャンパス内地図
アクセス:http://www.komcee.c.u-tokyo.ac.jp/access
会費:談話会 無料、懇親会 3000円(予定)

講演者と講演内容

招待講演:池上高志 先生(東京大学大学院総合文化研究科 教授)http://sacral.c.u-tokyo.ac.jp/
演題:「脳・意識に関する小さなモデルと大きなモデル」

脳の理論は、最近までニューラルネットワークの小さなモデルを元に、記憶や知覚、あるいは意識の問題までもが語られてきた。しかしここ10年ほどの間に方向性が大きく展開した。それは、量・質ともに莫大なデータが得られるようになり、これまでの小さなモデルが説得力を持たなくなってきたからだ。

その代わりに、コネクトームに代表されるような脳の精密な解剖学的な知見をもとにした脳のシミュレーションをやろうとするプロジェクト[1]、Blue Geneのように数十億スケールの数の神経細胞をシミュレートすることで、脳をシミュレートしようという動き[2]が出てきた。古典的なニューラルネットも、それを階層型につなぎ合わせ、大量なデータを突っ込むことで、自動的なパターン分けが出現するかどうか、が調べられている。これをDeep Learningという[3]。

一方、drawbackといえば、これらの昨今のアプローチには、身体性という脳の重要な特性は大方無視されている[4]。また意識や記憶に関する理論的なパースペクティブを持たぬまま、闇雲に大きくしてもそこに勝算はないようにみえる[5]。

では、何を考えるべきか。ここではそれを議論してみたい。

<参考>

[1] Olaf Sporns,* Giulio Tononi, and Rolf Kötter, “The Human Connectome: A Structural Description of the Human Brain”, PLoS Comput Biol. Sep 2005; 1(4): e42.

[2] http://bluebrain.epfl.ch/

[3] 例えば、Quoc V. Le et al., “Building High-level Features Using Large Scale Unsupervised Learning” in the Proceedings of the 29 th International Conference on Machine Learning, Edinburgh, Scotland, UK, 2012. Copyright 2012

[4] Andy Clark,「現れる存在」(NTT出版、2012、訳:池上高志、森本元太郎) のあとがき、参照。

[5] FristonやTononiの理論は、意識を解明するか?

スケジュール

14:30-受付開始
15:00-15:05開会挨拶
15:05-17:30池上先生ご講演
18:30-20:30懇親会

参加申込

参加申込は終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。

〆切:
2014年7月11日(金)
談話会のみ、あるいは懇親会のみの参加も大歓迎です。
主催:
脳科学若手の会
世話人:
池田宗樹(東京大学大学院 総合文化研究科)
杉浦綾香(東京大学大学院 総合文化研究科)
山下愛博(早稲田大学 人間科学部健康福祉科学科)
お問い合わせ:
info@brainsci.jp