第6回談話会
「脳科学×哲学:脳科学と社会のお付き合い」
2011.08.27
2011年度,最初の談話会を開催する運びとなりましたのでお知らせ致します。
今回は,科学哲学を専門とされ、倫理的判断,行為,意思決定に関するニューロフィロソフィーの研究に現在従事されている信原幸弘先生を招待講演者としてお招き致します。前半は,脳科学が人間観に与えつつある影響,そして脳の研究に携わる私たち若手と専門家でない一般市民の方々との関わり方についてお話頂きます。後半は,サイエンスカフェ形式で議論を行い,皆さま一緒に理解を深めたいと考えております。談話会終了後は、懇親会です。
皆様のご参加をお待ちしております。
概要
- 日時:
- 2011年8月27日(土) 談話会 15:00~18:00,懇親会 18:30~
- 場所:
- 東京大学駒場Ⅰキャンパス16号館119教室
- 会費:
- 談話会 無料,懇親会 3,000~4,000円(渋谷での予定)
- 招待講演:
- 信原幸弘(のぶはら・ゆきひろ)先生(東京大学大学院 総合文化研究科 教授)
- 演題:
- 「脳科学と人間観への影響」
要旨
脳科学は,脳という物質的次元から心の働きを明らかにすることにより,従来の人間観を大きく塗りかえる可能性を秘めている。
いくつかの具体例にそくして,脳科学が既存の人間観にどのような根本的な影響を与えつつあるかを見ていきたい。たとえば,リベットの実験が自由意志の存在にどのような疑問を突きつけるか,道徳的判断は感情を排した理性的なものであるべきだとする見方を道徳の脳科学はどう揺さぶるか,意思決定が無意識的な心の働きに深く規定されていることが脳科学によって示されることで,意識的な理由づけは無意味なものと化すか,などを概観する。
続いて,脳科学が従来の人間観にどんな影響を与えるかというこの問題を正しく考察するためには,脳科学の専門家ではない一般市民は脳科学の成果についてどのような知識を持つべきかを考える。一般市民が脳科学の専門家と同じレベルの知識をもつことが可能であればよいが,それは実際上不可能であろうし,脳科学が既存の人間観にいかなる影響を及ぼすかを見定めるのにおそらく専門家と同じレベルの知識は不要であろう。では,どのような知識が必要だろうか。また,そのような知識は誰が提供しうるのだろうか。これは脳科学リテラシーの問題だと言えるような問題である。
この種の問題についても考察していきたい。
スケジュール
開演挨拶 | 15:00-15:05 |
信原先生講演 | 15:05-16:30 |
休憩 | 16:30-16:45 |
サイエンスカフェ | 16:45-18:00 |
懇親会 | 19:00- |
参加申込
こちらのフォームよりお申し込みください。談話会のみ,あるいは懇親会のみの参加も可能です。
なお,会場の席数には限りがありますので,参加者多数の場合は抽選となることがあります。あらかじめご了承下さい。